1946年9月11日
覚書
対象：情報課 課長
主題：展示班の目的と規律

１．民主的社会の技術を国民に教育することと権力の源は国民であるという事実を植え付けることが占領の目的の一つであるかぎり、社会的弱者にも民主主義の種をまくべきであろう。以下のような社会的弱者を主として、目標に導くためのサービスが提供できるならば展示装置は最も効率の良い役割を果たすだろう。

1. 都会で生まれた標準的な考え方が届かない人
2. 購読料の未払いや紙の不足のため報道媒体が届かない人
3. 数の不足や破損のためラジオ放送を聞くことができない人。

日本の田舎には十分な教育資料、本そして娯楽の欠乏が顕著である。学校は無益で退屈である。
展示は、情報や教育がもたらす知識を植え付けるための手段である。展示は余暇に学習され、完全に吸収される。単純で面白いものが、通常情報が届きにくい観衆の興味を引き目的が浸透するに違いない。

２．本目的を効率よく、安価に成し遂げ、最大限に配布するために複写設備を得る必要がある。使える場合は興味を示す日本の機関を利用する。報道機関は超過稼働状況でインクの欠損により印刷はおそらくモノクロに限られる。その単調さを回避するために大判の多色刷りポスターや興味を引くために使用されたその他の資料も手に入れるよう努力するつもりである。「切り貼り」の技術によって目的にそぐわないと思われる資料も興味をひくものへと変更させることができる。戦前の日本観光協会と国家行政鉄道省の資料を最近配布した。戦前のポスターでいくつかの秀でたものがまだ残っておりそれらをポスター群の中から確保することを願う。図表は簡潔な提案や展示装置計画の現状案の概略には必須であり、再生産を要請する。

３． 現行のOVI展示はある程度の見出しの再編集や双書の特定の写真を削除して利用できる。これらの展示はもともと非東洋人のために作られたものである。アメリカの場面を描写する際注意を払わなければならないなぜなら、財産の比較は日本国民を憤慨させ、教育の目的が無効になる恐れがあるためである。

1. 民間情報教育局図書館、報道機関、出版記録が所蔵する戦争に関連する写真は、展示目的での使用は制限される。ある目的に適合した計画性のある写真は、鮮度があり、展示班に必要な説明図として最適である。

4. 各班を最大限広報するために、展示物は耐久性があり軽く、扱いやすいものにすべきである。運搬の難易度や計画的な配布手段の限界を検討しなければならない。（展示物は）展示する全ての場所の物理的な条件を満たすため簡単で流動的に作られるべきである。展示の旅程では全ての活動形態の調査を念入りに記録する。配給経路として様々な日本の社会的、政治的そして、教育の機関を利用する。

5．作成スタッフには日本国民を起用すべきである。一番重要なのは通訳者に対する熟慮した管理である。想定観衆の言語力に対応するよう通訳者を訓練しなければならない。通訳者に（日本国民には）忠実な訳よりも感覚的の方が良いことを植え付けなければならない。全ての通訳者の通訳は英語に再び通訳し記録され検討される。

1. 再生産場所を制限し既存の教育資料は注意深く扱い、主題の伝達の対象となる人々の往来が多い展示場所を選択することが重要である。そして展示計画は同様に行う。

６．視覚教育重視を他のメディア班と同時進行させるために、他のメディア媒体と密接な関係性を維持しなければならない。

FRANCIS BAKER
展示部長