凡例

・ 本データベースは、東京国立博物館の絵画分野(A)および歴史資料分野(P)に属する木挽町狩野家関連の模本のうち、その模本が制作された当時に寺社が所蔵していた宝物を写したもの(本データベースでは「寺社宝物模本」と呼称します)を対象に作成しています。

・ 本データベースには2013年3月現在、93件(62点)の模本データおよび、77人の制作者情報が収録されています。

・ 撮影は順次実施しており、2013年3月現在、54件の模本の画像が公開されています。

・ 資料データの項目は以下の通りです(調査状況により各資料の情報量には差があります)。

項目名 説明
ID 本データベースを作成するにあたりデータの記述単位に振り分けられた整理番号を記載した。 1
分類 本データベースを作成するにあたり、模写の制作状況を示す目的で付与した。原本から直接模写した場合をA、模本から模写した場合をB、模写した対象が不明の場合をCとした(図1を参照)。また、寺社宝物ではないが関係性の強い資料についてはXを付与した。 A
データ階層 複数からなる資料について、資料全体を総括する「親」データと各々の「部分」データに階層が分かれている場合に、「親データ」または「部分データ」を表記した。 親データ
列品番号 東京国立博物館における資料管理番号を記載した。 P-537
枝番号 複数からなる資料について、何番目にあたるかを表記した。 1
資料名称 資料に記された名称を優先して記載した。 法隆寺什物図
制作者 制作者の最も一般的な名前を任意に選び、本データベースの統制語彙として表記した。 狩野勝川院雅信 ; 古藤養真 ; 笹山勝寿
員数 資料の個数。データ階層が「部分データ」の場合には「部分データ」の個数を表記した。 11巻
品質形状 資料の品質および形状を記載した。 巻子装
法量 原則として、本紙の縦×横の寸法(cm)を記載した。 (1巻と2巻とに分かれている場合)1:42.2×1081.7 ; 2:41.9×1284.8
制作年代 資料中の墨書された制作年月日をもとに、漢数字・干支などで記載されているものは、アラビア数字に直して表記した。また、資料の制作年代が複数年に渡る場合は並べて表記した。 江戸時代・天保7年(1836)7月13 ; 奥書:9月9日
原本名称 原本の名称を、印章・銘記の情報をもとに記載した。 水取火取ノ玉 ; 石名取 ; 銀御簪
原本制作者 原本の制作者を、印章・銘記の情報をもとに記載した。
原本制作年代 原本の制作年代を、印章・銘記の情報をもとに記載した。
当時の原本所蔵 模写当時の原本の所蔵先を、印章・銘記の情報をもとに記載した。
模本制作地 模写が行われた場所を、印章・銘記の情報をもとに記載した。
制作経緯・目的 模写が行われた経緯を、印章・銘記の情報をもとに記載した。必要に応じて「晴川院養信による模写事業」ページの項目を[ ]を付して補った。
制作者記述 制作者が複数人の場合、基本的に全ての人物名を記載した。印章・銘記の情報をもとに、資料に記載されている人物名で表記した。 藤原養長・養長 ; 古藤養真・養真 ; 雅信
印章、銘記等 資料に印章や銘記がある場合に記載した。ただし、模写した際の注記(計測値、色の情報など)や制作者の署名は取り上げず、奥書など制作状況の解明に重要と思われる部分を任意に抽出して翻刻した。
備考 その他、必要な事項を記述した。
参考文献 参照した文献を記載した。 安藤香織「木挽町狩野家伝来「法隆寺什物図」」(『MUSEUM』631号、平成23年4月)

・ 記述は以下の規則に従って行いました。

  • 資料に記述がないが他の資料から推定できた情報は「[ ]」内に記した。
  • ミセケチは「<>」で記した。
  • 複数該当する場合は「;」で区切った。
  • 項目と内容は「:」で区切った。
  • 制作者記述において異名同人は「・」で併記した。
  • 改行は「/」で区切った。
  • 判読できない文字は、□で表示した。
  • 表示できない文字は、★で表示した。

・ 制作者情報は資料データを基に、東京国立博物館の台帳および館資資料と、以下の資料、論文の情報を参照して制作しています。 松原茂「狩野晴川院と絵巻」(『MUSEUM』344号、昭和54年11月)、『調査研究報告書 江戸城本丸等障壁画絵様 図版篇・本文篇』(昭和63年11月、東京国立博物館) 、『調査報告書 高野山学侶宝蔵古器及楽装束図』(平成4年3月、東京国立博物館)、池田宏「狩野晴川院『公用日記』にみる諸相」(『東京国立博物館紀要』28号、平成5年3月)、玉蟲敏子氏「大徳寺瑞峯院「堅田間」襖絵の研究」(『国華』1206号、1996年5月)、鷹巣豊治「模本の研究」(『画論』20号、昭和18年3月)、安藤香織「木挽町狩野家伝来「法隆寺什物図」」(『MUSEUM』631号、平成23年4月)。

・ 誤記などがあれば訂正いたしますのでご連絡ください。また、本データベースは幅広い調査研究に活用されるよう公開するものですが、ご利用の際には歴史資料としての性格に十分ご留意されるようお願いいたします。本データベースを利用して生じたいかなる結果についても、当館は責任を負うものではありません。

・ 本データベースは科学研究費補助金(若手研究B)「狩野晴川院養信による寺社宝物模本の基礎的研究」(平成23年〜24年度)により、安藤香織(研究代表者)、石坂あゆみ(調査・研究、ウェブページ作成)、高橋郁子(撮影)が作成したものです。また、科学研究費補助金(研究活動スタート支援)「狩野晴川院養信筆「法隆寺什物図」の研究」(平成21年〜22年度、代表者:安藤香織)における福原紗綾香、中垣千尋、木下昌規(以上、調査・翻刻)、宮崎絵理佳(撮影)の成果も反映しています。

・ 図1:分類のモデル 関係図