東京国立博物館では,書跡と歴史資料の2つの分野にわたり,平安時代から江戸時代にかけての古文書約2,000通を所蔵しています。古文書とは料紙を使用し,墨で文字をしたためたもので,一方から他方へといった一種の伝達を伴うものです。こうした古文書は人文科学諸分野における貴重な研究材料であるとともに,歴史学においては歴史事象を解明するための有効な史料となります。 本データベースはこうした古文書1通を基本単位として,高精細の画像として撮影し,現在における古文書学の水準に従い分類を行って名称を付し,法量を計測し,可能な限り差出・宛所を比定した上で,記されている文字について翻刻を行いました。今回は家伝文書を中心とした2件を公開していますが,今後順次公開を進めることによって他機関所蔵の資料との比較調査も可能となり、文字以外の情報を提供することにより歴史学研究などに資するところが大きいと考えております。 【現在公開中の古文書一覧】 「土佐家文書」10巻(B1253), 「香宗我部文書」6巻(B2060), 「古文書」9幅(B1627), 「古文書」3幅・1巻(B1719), 「古文書」1幅・18通(B1720), 「諸寺院文書」2巻(B1721), 「日御崎文書(写)」2巻(B1760), 「三島神社文書(写)」1巻(B1761), 「里見家伝来文書」8巻・3通(B1773), 「古文書」1幅(B1780), 「堀部家伝来古文書」20通・1冊(B1829), 「白河結城文書」1幅・21通(B1854~1875), 「松平定信書状」1幅(B1898), 「徳川頼宣書状」1通(B1913), 「徳川斉昭書状」1通(B1932), 「条目請印帳」1冊(B1974), 「松平楽翁(定信)自警」1通(B2008), 「髪結床売渡証文」12通(B2016), 「毛利家家老連署申渡書」1通(B2034), 「毛利就隆任官状」1通(B2035), 「徳川家康書簡」1幅(B2045) ※掲載は公開順,()内の記号と数字は列品番号を示しています。 付記:本データベースは平成20年度より日本学術振興会科学研究費補助金(研究成果公開促進費)の交付を受けて作成したものです。