
トーハクなび共同研究プロジェクト
About the "Tohaku Navi Joint Research Project"
『トーハクなび共同研究プロジェクト』は、位置情報などのIT技術の活用により東京国立博物館総合文化展における来館者の鑑賞体験をより豊かにすることを目的に東京国立博物館と株式会社電通国際情報サービス(ISID)、クウジット株式会社の3社で発足したプロジェクトです。
The Tohaku Navi Joint Research Project was started in April 2012 by the Tokyo National Museum, Information Services International-Dentsu, Ltd. (ISID), and Koozyt, Inc. and aims to provide a rich viewing experience for the Regular Exhibition on display at the Tokyo National Museum by leveraging location information and IT.
学会,機関: 株式会社電通国際情報サービス(ISID)、クウジット株式会社
研究分担者等: 小林牧(東京国立博物館),村田良二(東京国立博物館),藤田千織(東京国立博物館)
2012年 4月 1日 実施
関連研究員(当館): 村田 良二  小林 牧  藤田 千織 
データ更新日2021-08-27
東京国立博物館の監修のもと、位置測位やセンシングなど様々なユビキタス関連技術を活用して未来の街づくりに向けた実証実験に取り組むISIDと、独自のAR(拡張現実感)技術や位置推定技術を用いたサービスを展開するクウジットが協力し、若年層だけでなく幅広い層にIT技術を使用いただけるよう、また博物館に足をお運びいただく人々のすそ野を広げられるような取り組みを実施します。
プロジェクト期間は2018年3月末までを予定しており、『トーハクなび』アプリを通じて、先端のITを身近に体験しながら展示品の鑑賞を楽しめる様々な機能を、順次提供していきます。
『トーハクなび』アプリは、2011年1月から4月の間、東京国立博物館にて貸出サービスとして実施した位置連動型博物館ガイド『とーはくナビ』(2011年度グッドデザイン賞受賞)をベースとした博物館コースガイドアプリで、博物館の総合文化展を巡る5つの見学コースを収録しています。
2011年に実施した貸出サービスでは、数多くの幅広い年齢層の方々に体験いただき、その中でも、初めて来館された方々の利用が4割を占め、たいへん好評いただきました*。その結果を受け、今後は、より多くの国内外のスマートフォンユーザーに東京国立博物館について知っていただき足を運んでいただくことを目的に、また、来館されたユーザーにとって最も心地よい情報の受け方や時間の過ごし方を考察しながら、来館者の豊かな鑑賞体験をデザインしていく予定です。
(参考論文2012年2月15日発行『MUSEUM』636号に掲載 「≪報告≫東京国立博物館館内ガイドの新しいかたち-スマートフォンによる位置連動型ガイド『とーはくナビ』製作と貸出について-」藤田千織(当館教育普及室主任研究員)
(主な取り組み)
2012年4月 『トーハクなび』アプリ(Android版)を一般公開
屋内測位技術「PlaceEngine」により、作品展示室ごとに位置を測位し、位置に連動したコースガイド(本館2階)をリリース。スタンプラリー機能も追加し、来館者の興味喚起、回遊性、再来訪を高める施策を展開。
2013年1月 『トーハクなび』アプリ(Android版)をバージョンアップ(ver.1.1)
館内で無料貸出サービスを実施(1月22日~3月3日まで)
AR技術(CyberCode)を用いた演劇仕立てによるコースガイド「トーハク劇場コース」を追加。高精度屋内測位技術「Place Sticker® 」を利用し、作品種目別のガイドも実現(「日本美術体験型コース2階」の本館10室奥の展示ケース)。
2013年9月 『トーハクなび』アプリ(iOS Lite版)を一般公開
多くのご要望と期待の高かった、iOS向け、および英語に対応した『トーハクなび(iOS Lite版)』アプリ(日本語、英語)をリリース。「iOS Lite版」にはAndroid版で人気の高い2コースと3つの体験型コンテンツ、スタンプラリーを収録。
2013年4月 『トーハクなび』アプリ(iOS/Android版)をバージョンアップ(ver.2.0)
新たに3つのコースを追加。3G/LTE回線でダウンロードできるように、コース毎のダウンロード。本館2階のコースではiOS版でも利用者の位置に応じたガイドが自動的に再生。
2014年7月 『トーハクなび』アプリ(iOS/Android版)英語版に、東洋館、法隆寺宝物館、平成考古展示館のガイドを追加。また、日本語版についても本館15~18室についてガイドを新たに更新。
2014年10月 『トーハクなび』アプリ(iOS/Android版)をバージョンアップ(ver.3.0)
「本館2階 日本美術の流れコース」にて展示される計14点の作品について、音声ガイドと作品の写真で紹介する「今日のオススメ」機能を収録。音声ガイド機能には、自動音声合成技術を採用し、日本語、英語に対応したガイド機能を実現。また、お気に入りの作品を登録できる「マイコレクション」機能を収録。
2015年4月 『トーハクなび』アプリ(iOS/Android版)をバージョンアップ(ver.3.1)
ユーザーのログ解析機能を付加。
2015年11月 平成館考古展示室リニューアルに合わせて、考古展示室のプログラムを改訂。「今日のオススメ」機能を収録。(ver.3.2.1)
2016年4月『トーハクなび』アプリを(iOS/Android版)バージョンアップ(ver.3.3)。64bit対応。
2016年6月『学校版トーハクなび』を東京国立博物館スクールプログラムの一環として貸出運用開始。(システムの開発は2016年3月に完了していたが、運用開始まで試験期間を設けた)
2017年2月 『トーハクなび』アプリをインストールした端末(iPod)の館内貸出サービスを開始。
2017年4月 『館内のWi-fi環境に応じたガイダンスを表示させるなどの改訂を実施。
2017年3月11日~12日 「訪日外国人の記憶に残る日本文化体験」をテーマに、コミュニケーション・ディレクター佐藤尚之(さとなお)氏のファシリテーションで「トーハク×アイデアソン」を開催
2017年7月 「トーハクキッズデー」にて、『学校版トーハクなび』
がインストールされたタブレット端末の貸出サービスを実施
2018年3月 『トーハクなび』アプリ(iOS版)のバージョンアップ。(ver.3.4.1)軽微な不具合修正。
2018年8月 「トーハクキッズデー」にて、『学校版トーハクなび』がインストールされたタブレット端末の貸出サービスを実施
2019年8月 「トーハクキッズデー」にて、『学校版トーハクなび』がインストールされたタブレット端末の貸出サービスを実施
クレジット:
企画・制作:東京国立博物館・株式会社電通国際情報サービス、クウジット株式会社
制作協力:株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所
オリジナルコンセプトデザイン:長谷川 踏太 (TOMATO)
【株式会社電通国際情報サービス(ISID)について】
http://www.isid.co.jp
1975年の設立当初から顧客企業のビジネスパートナーとして、コンサルティングからシステムの企画・設計・開発・運用・メンテナンスまで一貫したトータルソリューションを提供しています。2011 年4 月に設置したオープンイノベーション研究所では、実験段階にあるものも含めた様々な先端技術の実用化に向けて、企業や教育機関などと協働し、技術研究やサービス開発に取り組んでいます。2011年8月には位置・空間連動型サービス分野でクウジット株式会社と業務・資本提携を行いました。
【クウジット株式会社について】
https://www.koozyt.com
クウジットは、2007年7月に、ソニーコンピュータサイエンス研究所のメンバーが中心となり、[空]と[実]をつなぐ技術で社会に貢献することを理念に設立されました。因果情報分析技術「CALC」を核にした要因分析や、潜在的な課題抽出、未来予測などのAI機械学習・データ解析ソリューションの提供、および、これまで培ってきた人流計測や笑顔計測などの実世界センシング技術とを組み合わせたCPS(Cyber Physical System)アプリケーション開発を提供しています。