展示関連の研究実績

和物茶碗の世界―美濃、樂、京焼、唐津、高取

学会,機関: 東京国立博物館

関連研究員: 今井 敦(東京国立博物館)

2018年4月24日~6月24日

関連研究員(当館): 今井 敦 

データ更新日2020-09-09

 日本国内で茶の湯のために焼かれた茶碗、和物茶碗を特集します。喫茶の風とともに中国からもたらされた精美な唐物茶碗や、室町時代後期に美意識の変化に伴って茶の湯の茶碗として見立てられるようになった朝鮮半島産の高麗茶碗に対して、和物茶碗は唐物茶碗の写しから始まり、安土桃山時代に大成された侘茶のために、価値観の変動に応えた茶碗が創作されるようになり、大きな飛躍を遂げます。その後江戸時代になると多様な展開を示しました。
 千利休(1522~1591)の創意を受けて長次郎(?~1589)によって始められ、一子相伝という特異な形で現代まで430年余続く樂、安土桃山時代から江戸時代初頭にかけてのわずか30年ほどの間に創造の炎が燃えさかり、志野や織部など自由な気風に富んだ茶陶を送り出した美濃、安土桃山時代に朝鮮半島から渡来した技術によって、北部九州で産声を上げた唐津や高取、華麗な絵付けで都の雅を造形化した仁清をはじめとする京焼など、茶の湯を彩った、個性豊かな和物茶碗の世界をお楽しみください。