展示関連の研究実績

東博のガラスコレクション―明治期ガラス工芸の諸相

学会,機関: 東京国立博物館

関連研究員: 横山 梓(東京国立博物館)

2022年7月12日~9月4日

関連研究員(当館): 横山 梓 

データ更新日2023-08-25

この特集では、東京国立博物館(東博)が収蔵するガラス作品のなかから、主に明治期前後につくられ、博物館草創期にコレクションに加わったものをご紹介します。



江戸時代から日本では、食器など生活用具のガラス器が本格的につくられるようになります。なかでも江戸時代末からつくられ始めた切子(カット)ガラスは、薩摩をはじめ江戸、大坂でもつくられ、緻密で豊かな文様装飾をうみだしました。多彩な表現は、幕末期の小さなガラス製の雛道具にも見ることができます。
明治時代に入ると、西洋式のガラス生産を目指す動きもおこり、明治9年(1876)には官営の品川硝子製造所(のちの品川工作分局)が設営されます。その製品は内国勧業博覧会にも出品され、一部が当館に寄贈されています。
また当館のコレクションには、珍しい舶来のガラスも含まれています。例えば、幕末期の箱書きをともなった脚付のコップや、金彩の施されたカットガラス、そして、イギリスのインダストリアルデザイナー、クリストファー・ドレッサーが選定に関与し明治9年に寄贈されたイギリスやフランスのガラスなどです。これらは、当館のガラスコレクションに彩りを与えています。



150周年を迎えた東博ならではの、多様な来歴で、かつ貴重な国内外のガラスコレクションをお楽しみください。