ブランドイメージとしての《九谷》の成立
学会,機関: 石川県立歴史博物館記念講演会
発表者: 今井 敦(東京国立博物館)
2025年 10月 4日 発表
関連研究員(当館): 今井 敦 
データ更新日2025-10-04
現在の石川県加賀市山中温泉九谷町の地名である「九谷」が、なぜ大樋焼を除く加賀のやきものの代名詞となったのか。それは、主に殖産興業の観点から、近代の窯業地加賀にとって、古九谷が必要とされた由緒であったからである。それは近代の京都において、粟田口、五条坂を包括する「京焼」の概念が求められ、野々村仁清を京焼の祖とする語りが登場し、清水が京都のやきものの代名詞となったのと同様である。「九谷」の原点である古九谷についての見直しを含め、九谷焼の歴史について考察する。