科研費・共同研究等

海外日本古美術展にみる 日本観とその変遷に関する基礎的研究

科研費 基盤研究(B)課題番号26282074

1939年以降海外で開催された日本古美術展について一覧化を進めるとともに、文化庁所蔵資料のデータ化及び主要な展覧会の資料を収集・整理することにより、海外における日本観とその変遷を考察・研究する基礎資料を整備する。

学会,機関: 東京国立博物館

代表者名: 鬼頭 智美(東京国立博物館)

研究分担者等: 高橋 裕次(東京国立博物館)、田良島 哲(東京国立博物館)、白井 克也(東京国立博物館)、楊 鋭(東京国立博物館)、横山 梓(東京国立博物館)、吉田 憲司(国立民族学博物館教授)、浅見 龍介(東京国立博物館)

関連web: 海外で開催された日本古美術展データベース  /  科学研究費助成事業データベース

2016年 実施

関連研究員(当館): 田良島 哲  鬼頭 智美  楊 鋭  白井 克也 

データ更新日2017-05-01

本研究は、平成26年(2014)度~平成28年(2016)度の3年間、科学研究費助成事業「海外日本古美術展にみる日本観とその変遷に関する基礎的研究」(JSPS科研費JP26282074)として行ったもので、1936年~ 2016年に日本国外で開催された日本の古美術を中心とした展覧会(以下「海外日本古美術展」とする)について、一覧表を作成するとともに、これまで海外日本古美術展を開催し日本美術発信の拠点とみられる海外の主な美術館等を現地調査し、主要な展覧会の資料の収集とともに、調査時に現地で行
われていた日本古美術展を視察し、現代の海外日本古美術展の様子も調査したものである。
あわせて国内において主に文化庁が所蔵する関係資料を調査、複写撮影を行い、さらに海外で同様の展覧会を開催した、あるいはこうした展覧会に携わってきた関係者への面談調査を行うことにより、海外における日本観とその変遷を考察・研究するための基礎資料を整備することを目的として、「企画展」という、短期間に多くの観客を集め開催地に集中的に情報が提供される事業に焦点を絞って行った研究である。
具体的には、日本美術を西洋美術と同様に「美術」の一分野と位置付けて企画した展覧会の始まりとして、1939年にドイツ・ベルリンで開催された「伯林日本古美術展」(オットー・キュンメルらドイツ側の研究者が主体となり企画、以下「ベルリン展」)を始点とし、以降現在(2016年)までに欧米およびアジアの博物館・美術館で開催された日本の古美術を主体とした展覧会について、会期・会場、企画主体、概要、関連報道などの情報を網羅的に集成するとともに、主な展覧会についての現地調査および関係者への面談調査を実施した。さらに文化庁を中心として関係機関が保管する資料の調査および複写撮影を行った。
「海外日本古美術展リスト」は、1936-2016年に日本国外(注1)で開催された主に日本の古美術品(1868年以前に日本で制作された美術品)を主体として構成した企画展(原則常設展示室での自館収蔵品のみで構成する展示を除く、一部例外あり)の一覧表である。
(注1)1967年と1971年に開催された琉球政府による日本古美術展は、厳密には日本国外ではないが、準備において通関手続などを伴っており、比較のためこのリストに含んだものである。